電子ペーパーを知る:しくみと、私たちが使う理由

電子ペーパーは、紙のように見えるディスプレイです。自ら光を出さず、周りの光を反射して表示するので、日差しの下でも読みやすく、一度描いた画像は電力なしでそのまま残ります。LogCaseがバッテリーなしでiPhoneの背面に画像を映せるのは、この性質のおかげです。
白黒の電子ペーパーのしくみ
パネルの中には、透明な液体で満たされた小さなセルが数百万個並んでいます。各セルには2種類の顔料が入っています。片方の電荷を帯びた白い粒子と、反対の電荷を帯びた黒い粒子です。セルの上下には薄い電極があります。
セルに電圧をかけると、片方の顔料が表側へ引き寄せられ、もう片方は裏側へ押しやられます。白が表に来れば白い点に、黒が表に来れば黒い点に見えます。この点が数百万個集まって、ひとつの画像になります。電界で帯電した粒子を動かすこの現象を電気泳動と呼ぶため、こうしたパネルは電気泳動ディスプレイ(EPD)とも呼ばれます。
表示し続けるのに電力がいらない理由
電圧を切っても、顔料はその場所にとどまります。これを双安定性と呼びます。電力を使うのは画像を書き換えるあいだだけで、その後は1分でも1年でも電力ゼロです。
LogCaseは、この性質を前提に作られています。新しい画像をCastするときだけ、iPhoneがNFCで少しの電力をケースに分け、その後はバッテリーなしで画像が残ります。その電力をどう集めて使うかは、特許を取得した方式の記事で紹介しています。
色を出す2つの方法
電子ペーパーで色を表示する方法は、大きく分けて2つあります。
カラーフィルター方式。E Ink Kaleidoは、白黒のパネルの上に赤・緑・青の薄いフィルターを重ねます。それぞれの点は白か黒かを切り替えるだけで、フィルターが色を付けます。しくみが簡単で書き換えも速い一方、フィルターが光の一部を吸収するため、色はやわらかめになります。
カラー顔料方式。E Ink Spectra 6は、ひとつのセルに黒・白・赤・黄・青・緑の6色の顔料を入れています。細かく調整した電圧のパルスで必要な色を表に運ぶので、色はインクそのものから生まれます。光をさえぎるフィルターがないぶん、色は鮮やかで明るくなります。6色を動かすため、画面全体の書き換えには時間がかかります。
写真を6色のインクに置き換える
写真には数百万の色がありますが、Spectra 6のパネルが使えるのは6色です。その差を埋めるのがディザリングです。画像の各部分を6色の小さな模様で組み立て直すと、目がそれを混ぜ合わせて中間の色に見せてくれます。雑誌の印刷に使われる網点と同じ考え方です。
そのあと、ドライバーがパネルに波形を送ります。時間を区切った電圧の並びで、顔料を1行ずつ目的の位置へ動かしていきます。LogCaseアプリはこのディザリングをiPhoneの中で行い、写真の見た目(Default、Gentle、Bright、Mono、Illustration)で、Castする前に仕上がりを選べます。
電子ペーパーが苦手なこと
- 動き。カラーの書き換えには数秒かかるので、動画ではなく、とどまる画像に向いています。
- 色の範囲。6色で表せる色の範囲は、スマートフォンの画面より狭くなります。上手なディザリングで、その差の多くは目立たなくなります。
- 暗い場所。バックライトがないので、見え方は印刷した紙と同じです。昼間ははっきり見え、暗い場所では見えにくくなります。
LogCaseが使っているパネル
この種類のディスプレイを生み出したのはE Inkで、今も多くの製品のパネルを作っています。LogCase Full ColourにはE Ink Spectra 6を使っています。LogCase -CとLogCase -Rは黒・白・赤・黄の4色の顔料で、画像は温かみのあるセピア調に仕上がります。
実物を見るのがいちばんです。LogCase Full Colourなら、その違いがよくわかります。バッテリーなしで動く製品を作りたい方は、お気軽にご相談ください。
E Ink、Spectra、KaleidoはE Ink Corporationの商標で、本記事では技術の説明のためにのみ使用しています。BrachistaLogはE Ink Corporationから協賛や推奨を受けていません。


